初恋
始めは、マネジが1人で大変そうで、
手助けをしたいって思ったからやり始めた。
今は・・・今、は?
あたしは今、悼矢さんのことばかりしか考えてない。
みんなのためにじゃなくて、
悼矢さんがいるから、って・・・
あたしが今向かっているところは、
悼矢さんのところだけじゃない。
サッカー部の人たちのところに行くんだ―
それなのに、好きな人のことばかり考えて・・・
自分のことしか考えて居なかった自分に
凄く腹が立つ。
「ごめんなさい・・・あたし行く。」
「沙奈・・・」
「サッカー部のマネージャーとして、ちゃんと働く。」
「・・・おうっ」
笑顔で答えてくれたお兄ちゃん。
その顔を見て、あたしは改めて決断することができた。
「走るぞー!!早くしねぇと間に合わん!!」
「うん!!」