初恋
side悼矢
「なぁ、今日裕大来んの遅くねぇ!?
休みなん??」
弘樹が准に言った。
いつもなら30分くらい前に来ているはずなのに
今日は来ていない。
渡辺も今日休みって言ってたし・・・
「准、裕大に電話してみてくれよ!」
「あいつ多分寝坊でもしたんだろぉ?
そんな心配しなくても来るって。」
「弘樹、あいつ休んだこと一度もねぇんだからさ。
気にしすぎだ」
弘樹を宥めながら
俺は携帯を開いて時間を確認する。
はぁぁ・・・
心配はしてねぇけど・・・
練習時間に間に合えばいいけど。
主将がいない俺たちの部活は、
何故かみんな心細くなっている。
そういう時こそ、俺がなんとかしねぇとなんだけど・・・
「悪ぃ!!遅れた!!」
汗を掻きながら裕大が
こっちに向かって走ってくるのが見えた。
「裕大、遅ぇよ!!」
「ごめんって!あれ・・・?
あれ!?」
エナメルを朝礼台の上に乗せながら周りを見渡す。
・・・?
「どした?」
「沙奈!今日、沙奈連れてきたんだよ!!」