初恋
「悼矢さんも、お久しぶりです!」
「おぉ・・・元気にしてた?
相変わらず即仕事してんね」
「引き受けたからには、真剣にやりたいから・・・」
少し顔を赤くする沙奈ちゃんを見て俺は、
不意にドキドキしてしまった。
は・・・?
胸を抑える。
今日は、普通に元気だ。
いつもと変わらない。
変な所なんてなんもねぇはずなのに・・・
何でこんなにドキドキしてんの?
「悼矢さん・・・?」
沙奈ちゃんの声が、心に響く。
「や・・・ごめん笑」
1つ1つの仕草が、俺を酷くおかしくする。
この気持ちに気づくのは、まだ先のこと。
その時の俺は、久しぶりに会えたからと、
心のどこかで自分に嘘をついていた。