初恋
「あいつがキャプテンに選ばれたの、
そこも含まれてんだろうな」
誰よりも、周り状況を把握できるところ。
話して相手の性格とかが何となく理解でるところとか・・・
「お前さっきから1人言多くね?」
近くで話をかけられて俺は、
現実の世界に戻ってくる。
「んだ、裕大か」
「何だって何だよ!!
はい、俺、今の言葉で傷ついた!」
「悪かったって・・・汗。
そんな風に言わなくてもいいだろ?」
頬を膨らませながら、
まるで母ちゃんにお菓子買わないって言われた時の子どものような顔をする裕大を見て微笑ましく思う俺。
「ま、そんなことは冗談で・・・」
「俺・・・お前についていける自信ねぇ・・・」
「まぁまぁ!
今日、新人戦のメンバー決まったからこの後、
さっきの続きやって終わったらミーティングだってさ。」
「監督もう決めたんだ?」
「監督っつーか、ほぼ俺が決めた。」
監督は、裕大のことをめちゃくちゃ信頼している。
スタメンや、レギュラーを決める時にも、
裕大と相談して決めることが多い。
たまに俺も参戦して話し合いをするけど・・・
そんな裕大が俺は1年の時から羨ましかった。
何でも出来る奴で、
ほんとに憎いくらい羨ましかった。
けど、憎めない。
もっとこいつがナルシストとか、
自己中心的な奴だったらよかったのに。