初恋
「い、いやいやいや!!
これ、あたしの仕事ですから!」
いやいや言い過ぎ・・・笑
でも、自分の仕事だからって人に頼らない所が、
自分に誠実というか・・・
俺はもっと頼ってほしいって思うのに・・・
この子はそれすら許してくれない。
「悼矢さんは、早く行ったほうが・・・「じゃ、俺こっち持つよ」
だから俺は、強引に箱を持つ。
「あ、の・・・」
「心配とか、しなくていいから。
女1人でこんなの持ってるところみたら、
誰でも助けたくなるよ?」
申し訳なさそうにしている沙奈ちゃんに俺はそう言う。
でも誰でもやるわけじゃない。
俺だって。
きっと沙奈ちゃんだからやるんだ。
俺は、横目で沙奈ちゃんを見る。
真剣に運んでいる姿は、
髪の毛とか化粧に気合を入れている子よりも輝いて見えた。
会議室について部屋に入ると、
裕大が軽くみんなに説明をしていた。