初恋



悼矢さんはその声と同じ方向に振り返る。






そこには、渡邉先輩がいた―



「渡邉・・・」


「おはよー。裕大も、おはよー。

沙奈ちゃんも!」



「・・・はよ」

「おはよう、ございます・・・」



「珍しいじゃん、いつもこんな遅かったっけ?」





「いやぁ、ブローしてたら遅くなっちゃって・・・

悼矢に会えるかなーっても思ってたけど?笑」

「あっ、そ」




渡邉先輩の腕、悼矢さんの腕にまわっていた。




渡邉先輩の悼矢さんへのスキンシップは



前からあったはずなのに・・・




悼矢さんと渡邉先輩が前から仲良かったのも知っていたし、


全然ってわけではないけれど、


見ていられないわけではなかった。











悼矢さんに恋をするまでは―・・・












・・・あれ?

























あたしはふと、

渡邊先輩が携帯につけているストラップに目がいく。






















『これ部活の奴らとゲームセンターに行ってとったヒヨコなんだよ。』
< 190 / 364 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop