初恋
下駄箱で上履きに履き替え
あたしは大きなため息を付く。
「でっかいため息だな・・・汗」
「へ?」
「“ため息つくと幸せが逃げる”、ってよく女子いってねぇ?」
その声の主は、
同じクラスでサッカー部の北見くんだった。
やだ・・・ため息聞かれてたの・・・!?
あたしは思わず口を塞ぐ。
「やや、もう塞いでも遅いから笑」
「・・・だよね・・・」
「ま、何かあったのかは聞かないけど。」
北見くんは上履きを履きながら言う。
サッカー部のマネージャーを引き受ける前から
北見くんとは結構話をしていたりする。
席が隣っていうこともあってだけど。
男の子にも凄く人気があるし、
クラスの女の子にも少し人気があったり。
でも、1部の子から聞くと少し怖いとか何とか。
あたしは一度もそんな事を思ったことはないからよく分からない。
「教室、行かねぇの?」
「あ、行く!!」
「そーいやぁ」
教室に入って席に着くなり北見くんが
何かを思い出したかのように口を開いた。