初恋
何だろうと思いながら
あたしは北見くんの顔をジッと見る。
「―・・・んでもねぇや・・・」
「え!?何かあったから聞こうと思ったんじゃないの??」
「そうだけど、やっぱやめた。
つーか!」
少し張った声で言われたので吃驚して目を丸くする。
怒らせるような事言ったか、な?
北見くんはあたしの顔を、
指を指しながら警告するように言った。
「相沢、どんな奴にでもそういう顔すんの止めれっ。
馬鹿な男共が勘違いすんだろ」
「そういう顔・・・?」
あたし、どんな顔して聞いてるのかな・・・?
訳が分からずあたしは首を横に捻る。
北見くんは少し顔を赤くして、
机に顔を伏せてしまった。
え、何も言ってくれないの!?
あたしはそれが嫌で、北見くんの肩をユサユサする。
「ね、何も言わないで伏せないでよ。気になるじゃんっ」
話をかけても返事がなくてあたしは諦めようとした時
勢いよく体を起こす北見くん。