初恋
夏休みに入ってから渡邉のスキンシップが
激しくなっていて正直困っていた。
元々、そんなに女子と話さないし、
ベタベタ触られるのも嫌いで。
―女子だからって優しくすんのって
あんま良くねぇのかな・・・
「え、あ!悼矢!!」
俺は渡邉を置いて学校の中へと行く。
途中、弘樹と会って一緒に教室に行くことにした。
「な、この前さ他の奴らと話してたんだけど!」
「あー?何を?」
「沙奈ちゃんの話!!」
「沙奈、ちゃん・・・?
何でまた・・・」
「俺っちさ、沙奈ちゃんに今度は臨時じゃなくて
マジでマネジになってもらいたいわけね?
だから、沙奈ちゃんに部に戻って来てもらうように
話をしようと思ってさ」
・・・そういや、部活が終わった後、
俺と裕大抜きで固まって話してたな。
それが、沙奈ちゃんをマネージャーにしようって話だったのかよ・・・
ま、確かに夏合宿もすんげぇ助かったし、
そのあとも1回来てもらったし、
みんなが沙奈ちゃんをマネージャーにしたがるのは分かるけど―
「迷惑じゃねぇ?」