初恋

「えっと・・・お兄ちゃん？

何で辞めさせちゃったの？」



「うえ！？あ・・・





お前は知らなくていい、いいから！！！」





そんな事言われたらもっと気になるんですけど・・・






「こいつ、告白されて振っちゃって「あー！！！」



お兄ちゃんは悼矢と言う人の口を押さえる。






振っちゃったって・・・





「沙奈、気にすんな！

悼矢何言ってんだよ！」



「本当の事、だろ！」



口を押さえていた手を振り払って

お兄ちゃんに怒鳴って言う。

って事は、そのマネージャーはお兄ちゃんに振られて辞めちゃって、


人手が足りなくて今焦って


マネージャーを探している


って解釈でいいんだよ、ね・・・？



「じゃ、お兄ちゃんが悪いんじゃん！」

「え、やっぱ俺なの！？

だって告白してくる奴が悪いじゃん！



もう部内恋愛禁止だかんな」

「でも振ったのはお兄ちゃんでしょ！？

どーせまた酷い振り方したんでしょ！？

辞められちゃったのは自業自得だよ！」






「うっ・・・」



お兄ちゃんはしょんぼりしながら下を向く。









あたしはため息を付くしかなかった。