初恋
side悼矢
「今日も疲れたぁぁぁ」
「明日から夏合宿始まるから早く切り上げてくれたけど、
あんま練習量は変わらなかったな・・・
いつもより疲れたし」
俺たちは練習着から制服に着替えながら、話をしていた。
夏場なので、部室の中はかなり蒸し暑く、
早く外に出たいという感じだ。
それに1番耐えられないのは、やっぱり裕大で。
「いーや!ワイシャツ外で着よー!!!」
ワイシャツを肩にかけて外に出ようとする裕大。
「いやいや、駄目だろ」
「外にはあの、美人と呼ばれている渡邊がいるんだぜ!?
もうちっと恥じらいを・・・」
「別によくね?俺、あいつに興味ねぇし、向こうも興味ねぇんだから」
その考えは分からなくもねぇけど・・・
渡邊は女だって分かってんのかな・・・
ワイシャツを着ながら呆れた顔で裕大の顔を見る。
裕大はしぶしぶその場でワイシャツを着て外に出てって行く。
俺もその後を付いて行くように外に出る。
外には、渡邊がいて。
でもそこには沙奈ちゃんがいなくて。
「あれ?沙奈は?」
裕大が渡邊に聞く。
「沙奈ちゃんなら・・・まだ合宿所の中にいると思うけど・・・」