初恋
「何で!?
俺たちは帰って来てもらいたいのによ!
悼矢はそう思わねぇの?」
思わない、と言ったら嘘になる。
居てくれたらと思うと、
いてもらった方が色々な事がスムーズにいくのも分かる。
けど、本当にマネージャーになってほしくて
頼んだわけではない。
新しいマネージャーを見つける間だけと頼んだんだ。
それでも長くなってしまうから
俺と裕大は夏合宿の間までと決めた。
今だったら、
新しいマネージャーが部に居たっておかしくない。
なのに、何で新しいマネージャーがいねぇんだ・・・?
「つーかさ、ここだけの話。
渡邉って悼矢の専属マネージャーみたいなもんじゃん」
「は!?」
「だって、俺たちには何もしてくんねぇし・・・
沙奈ちゃんは俺たちに平等に対応してくれてたし!
みんな、沙奈ちゃんっていうマネジを求めるんだよ。
細かい所にも気がついてくれるし、
沙奈ちゃんが笑うだけで何か元気でるし、
やる気出るし!」
「ちょ、待てよ。
渡邉は別に俺の専属マネージャーじゃねぇよ」
「誰が見たってそう思うし!気づいてねぇの?」