初恋
『部のみんなで行こうよ!
あたし、誘っとくし!』
その時、ふと夏祭りに誘われた時の事を思い出した。
行ってないかもしんねぇえど・・・
誘われてはいるよ、な?
俺は思い切って裕大に聞いてみることに。
「なぁ」
「あー?」
俺より1歩先に歩いていた裕大が俺の方を向きながら歩く。
「夏祭りさ、渡邉に誘われたりした?」
「夏祭りぃ?誘ってねぇし、誘われてねぇしだけど?
あんな奴と行くわけねぇし。
夏祭りなら、准と沙奈と行ったわ!」
「准と沙奈ちゃん・・・?」
俺は裕大が准と沙奈ちゃんと行った事の方が気になった。
沙奈ちゃんが裕大と行くのはいいとしても・・・
何で准まで?
裕大と准は中学の時からの友達で仲がいいのはわかる。
けど沙奈ちゃんと准は―
兄ちゃんの友達だからって
そんな仲良くなれるものなのか・・・?
「仲いいんだな・・・」
「おー!家近所だしさー!!
りんご飴食べてる沙奈、ちょー可愛かった!
もうやばいね!」
「へぇ・・・」
俺―何でこんなムカムカしてんの。