初恋



***


学校が終わって、午後からの部活で俺は、

午前中の事を忘れるかのように部活に気合を入れていた。


むしゃくしゃする気持ちをすぐ晴らしたくて。






だけど、大好きなサッカーをしても晴れることはない。






いつもなら、気持ちの切り替えとか

サッカーやっちまえば出来たはずなのに。






こんな事で自分の感情を抑えられないことにイラついた。



「20分休憩な!その間に給水しっかりとれよ!」



コーチからそう掛けられ、

俺たちは練習を中断し、休憩に入る。



「悼矢!」





休憩に入ると同時に渡邉はすぐ俺の所に来た。



他の奴らを見ると、朝、

弘樹が言っていた事が分かった。







あいつ等・・・自分でドリンク持っててるし―





「はい、これ・・・」


「俺、いーや。先顔洗ってくるから」




「え、でも「俺にだけ持ってくるんじゃなくて、他の奴らに持ってってやんなよ。」




「え―・・・」


「じゃ」




俺は渡邉の横を通り抜けて水道場に向かう。








頭から水を被りたくなって、

水道場に着いて蛇口を全開にして水をぶっかける。











あ・・・タオル忘れた・・・









はぁぁ。今日本当についてねぇ。




蛇口を閉めて、そのまま水道場に腰をかける。



















「う、わ、わ、わ!!」









―ドサドサッ!―
< 207 / 364 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop