初恋
***
学校が終わって、午後からの部活で俺は、
午前中の事を忘れるかのように部活に気合を入れていた。
むしゃくしゃする気持ちをすぐ晴らしたくて。
だけど、大好きなサッカーをしても晴れることはない。
いつもなら、気持ちの切り替えとか
サッカーやっちまえば出来たはずなのに。
こんな事で自分の感情を抑えられないことにイラついた。
「20分休憩な!その間に給水しっかりとれよ!」
コーチからそう掛けられ、
俺たちは練習を中断し、休憩に入る。
「悼矢!」
休憩に入ると同時に渡邉はすぐ俺の所に来た。
他の奴らを見ると、朝、
弘樹が言っていた事が分かった。
あいつ等・・・自分でドリンク持っててるし―
「はい、これ・・・」
「俺、いーや。先顔洗ってくるから」
「え、でも「俺にだけ持ってくるんじゃなくて、他の奴らに持ってってやんなよ。」
「え―・・・」
「じゃ」
俺は渡邉の横を通り抜けて水道場に向かう。
頭から水を被りたくなって、
水道場に着いて蛇口を全開にして水をぶっかける。
あ・・・タオル忘れた・・・
はぁぁ。今日本当についてねぇ。
蛇口を閉めて、そのまま水道場に腰をかける。
「う、わ、わ、わ!!」
―ドサドサッ!―