初恋
外に出てすぐの角を曲がれば
悼矢さんのいる所に行ける。
・・・行った所で?
あたしは何か出来るの?
そう思って走るのを止めようとした時
足がもつれて転んでしまう。
「う、わ、わ、わ!!」
バックのチャックを閉め忘れていて
バックの中の物が全部出てしまう。
な、何やってんの、あたし・・・っ
早く教科書を拾えばいのに、
教科書と悼矢さんを交互に見てしまって、
どうすればいいのかパニックにしってしまった。
「沙奈・・・ちゃ、ん」
あたしの名前を呼ぶ、悼矢さんの声が聞こえる。