初恋
目を開ける。
・・・夢・・・?
「大丈夫か?」
あたしの前には准くんがいた。
准くんの顔を見て、
あたしは肩の力が一気に抜ける。
「准く、ん」
「ここに誰かいるのが見えてさ。
来たらお前がうずくまってるし、
うなされてっし・・・」
「ごめんな、さい・・・」
「別に謝んなくていいけど―・・・
もう帰ったんじゃなかったのかよ?
いくら木陰だっつっても
熱中症になる可能性かんだか、らっ!?」
あたしの目には、涙が溢れてくる。
夢でもなんでも、1番見たくなかった。
悼矢さんと渡邉先輩が2人で
仲良くしてるのなんて現実だけでも嫌なのに・・・
「沙奈ちゃん・・・」
「う、わ!あたし・・・何泣いてるんだろうねっ・・・うん・・・」