初恋
お掃除大作戦
side准
グラウンドのフェンスの外をフッと見た時、
誰かがうずくまっているのが見えた。
気温は下がってきているものの、
まだ暑さは残っていて。
熱中症でやられたんじゃないかと思って
俺はその方向に足を向ける。
「准!もうそろそろ休憩終わるぞ!
って、どこ行くんだよ!?」
「すぐ戻る!」
フェンスを抜けるとそこには沙奈ちゃんがいた。
帰ったんじゃないのか・・・?
考えていた奴とは全く違って俺は内心驚いていた。
「・・・っ・・・や・・・」
「え?」
「も・・い・・・」
寝言―?
おそるおそる近づいてみると、
沙奈ちゃんは小さくなりながらうなされている。
夢を見ているのか。
そうだとしても凄く苦しんでいて。
「沙奈ちゃん」
名前を呼んでみる。
だけど、なかなか返事は返ってこない。
俺は沙奈ちゃんの髪にそっと触れる。