初恋
だけど、沙奈ちゃんは笑いながらなんでもないと言うんだ。
何でもないくせに。
ずっと君の事を見てきたんだから、
分かる。
傷ついてることだって、
嬉しくってしょうがないことくらいだって。
誰よりも、
君を1人の女の子として見てたんだから。
沙奈ちゃんの腕を掴んだ手を見る。
震えていたのを感じた。
「准、もう始まるって!!早くしろ!」
裕大が半分怒りながら俺に叫ぶ。
―・・・放ってなんかいられねぇんだ・・・
「裕大、俺ちょい腹痛ぇんだ!
だから今日は帰るわ!!」
「は!?さっきまでそんな感じじゃなかっただろ!?」
「腹痛は急にくんだよ!
コーチに言っといてくれ!」
「お、おい!!」
俺は走って部室に行く。
急で沙奈ちゃんを追いかけないと・・・!