初恋

夏合宿



side沙奈




カーテンの隙間から光が差し込んで、


あたしはゆっくりと目を開ける。



今日から夏合宿が始まるので、

いつもより少し早起きをした。





昨日の夜から支度していた荷物の確認をして、
ジャージに着替える。





玄関に荷物を置いて、リビングに行く。





―ガチャ―




「あら、今日は早いのね」




キッチンで朝ごはんを作っているお母さんがあたしに言った。




「うん。今日から合宿始まるから、いつもより早めに出ないといけないの」


「そうなの・・・

それにしても、沙奈がマネージャーの仕事を引き受けるなんて、

お母さん吃驚しちゃった。

裕大は凄く喜んでるし・・・」



「ははっ」




あたしはテーブルに置いてあった牛乳をコップに注ぐ。







・・・そう言えば、

お兄ちゃんまだ起きてこないな。





もしかして今日の部活の時間間違えてるの!?




それは危ない!キャプテンが遅刻するなんてありえないよ!!






「沙奈?どうしたの?」


「お兄ちゃん起こしてくる!早く起きてもらわないと遅刻しちゃうよ」




あたしは椅子から立ち上がってお兄ちゃんの部屋に走っていく。



ドアを開けると、気持ち良さそうに寝ているお兄ちゃんの姿が。

























「・・・寝てるよ。」
< 27 / 364 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop