初恋
夏合宿
side沙奈
カーテンの隙間から光が差し込んで、
あたしはゆっくりと目を開ける。
今日から夏合宿が始まるので、
いつもより少し早起きをした。
昨日の夜から支度していた荷物の確認をして、
ジャージに着替える。
玄関に荷物を置いて、リビングに行く。
―ガチャ―
「あら、今日は早いのね」
キッチンで朝ごはんを作っているお母さんがあたしに言った。
「うん。今日から合宿始まるから、いつもより早めに出ないといけないの」
「そうなの・・・
それにしても、沙奈がマネージャーの仕事を引き受けるなんて、
お母さん吃驚しちゃった。
裕大は凄く喜んでるし・・・」
「ははっ」
あたしはテーブルに置いてあった牛乳をコップに注ぐ。
・・・そう言えば、
お兄ちゃんまだ起きてこないな。
もしかして今日の部活の時間間違えてるの!?
それは危ない!キャプテンが遅刻するなんてありえないよ!!
「沙奈?どうしたの?」
「お兄ちゃん起こしてくる!早く起きてもらわないと遅刻しちゃうよ」
あたしは椅子から立ち上がってお兄ちゃんの部屋に走っていく。
ドアを開けると、気持ち良さそうに寝ているお兄ちゃんの姿が。
「・・・寝てるよ。」