初恋
「あ!別に、サッカー部のマネージャーがやりたくないってわけじゃないよ!?
でも・・・
あたし、今まで臨時としてやってきて。
お兄ちゃん達に頼まれていたからやってたの。
自分の意思じゃなかったんだと思う。」
「じゃ、また俺たちのために「それじゃ駄目なんだって!!」
初めて沙奈ちゃんが裕大に大きな声を出したのを見た。
沙奈ちゃんの言いたいことは分からなくもなかった。
自分が初めてこれをやりたいといって
最後まで仕事をするのと。
頼まれて最後まで仕事をするのと。
それは全く違う。
「だから・・・っ・・・
バスケ部のマネージャーの件もまだ答えは出してない。」
「沙奈・・・」
「ごめんね・・・もうHR始まるから」
沙奈ちゃんは俺たちの顔を見ずに、教室に戻る。