初恋
『は?
・・・・何が分からないんだよ?』
『え・・・?』
『自分が何をしたか分かんねぇって今言ったじゃん』
『う、ん』
『・・・何をしたいかわからないけど』
北見くんは、
大きくため息をついた後にあたしに言う。
『何をすればいいのか分からなくて、悩んでるって・・・
やりたいことはあるけど、してもいいのかって・・・
そういう顔してんよ。お前―』
やりたいことは、ただ1つ。
でも、その1つを行っていいのか、悪いのか。
あたしは、今までそんな顔をしていたのか・・・
北見君の言うとおり、
あたしは何も分からないんじゃなくて、
やりたいことはあるけどしてもいいのかって、
そこで悩んでいる。
でもそれが、本当にあたしのやりたいことであるのかな?
『相沢、何でそんなに悩んでるの?』
『何で、って・・・』
『自分のしたいようにすればいいじゃねぇか、
悩む必要なんてない』