初恋
あたしがやりたいこと、
そんなの決まってる。
皆のために、仕事をしたい。
ただ、それだけのことなのに。
あたしは、好きな悼矢さんのことばかり考えて。
それでも、悼矢さんと渡邊先輩の事を考えると嫌で。
馬鹿みたい。
こんな風に思ってるの。
今更なはずなのに、
あたしは何でこうもずっと考えているんだろう。
2人は好きで一緒にいる。
2人は、彼氏彼女でもうあたしが入る場所なんてどこにもない。
「北見くん・・・」
「あ?」
「ありがとう。
あたし、自分がやりたいことが分かった。」
あたしのこの気持ちは、
胸の中にずっと秘めておく。
絶対に明かさない。
明かしちゃいけない。
苦しくても、
悲しくても、
辛くても、
嬉しくても―
「あたし、皆のためにマネージャーの仕事、したい。」