初恋
「あー、あー、やってらんない!
ねー、2年生の階じゃん?
裕大さんにでも会いに行こうよー!!」
「何でよ、ほぼ毎日あってるでしょー?」
「今会うのがいいんじゃぁん!!
ね、行こう!」
亜衣は作りかけの衣装を放り投げて
あたしの手を引っ張り衣服室から出る。
もう・・・裁縫苦手だからってすぐに放り投げて・・・
あたしはため息を付きながら、
お兄ちゃんの教室に足を向ける亜衣についていく。
2年生の階でも、文化祭の準備でワイワイと盛り上がっている。
「だーかーらー!!
お前ら喋ってないで手伝えって!!」
「「めんどくせー。」」
お兄ちゃんのクラスに着くと、
大きな声で、文化祭の準備をしていない人に怒っているお兄ちゃんが目に入る。
トンカチ持ちながら怒ると危ないのに・・・汗
亜衣は昔からお兄ちゃんが大好きで、
見るたびに目を輝かせていた。
亜衣のやつ・・・・
あたしが覗くように見ていたら、後ろから誰かにたたかれた。
「痛っ・・・」
「ストーカーみたいだけど?」
頭を擦りながら後ろを振り向くと、そこには准くんが。