初恋
破裂しそうな心臓を
無理に落ち着かせながら笑顔で返事をする。
「だ、大丈夫です。
いつものことなんで・・・」
「でもさ?
・・・ほーら、お前は早く沙奈ちゃんの手ぇ離して仕事しろ」
「そーだ、そーだ!!」
「嫌だねー!!
俺の沙奈なんだから、離すわけねぇじゃん!
なぁ、亜衣ちゃんもそう思うだろ!?」
「ですねー、もう持って帰っちゃってください☆」
何言ってるの!?
・・・そういえば、亜衣は禁断愛みたいな漫画に今ハマってるっけ・・・・
もしかしてそれが原因でこんなことを!?
って・・・もともとか・・・
あたしの頭の中は混乱状態。
お兄ちゃんはあたしの手を離してくれず、
悼矢さんはお兄ちゃんを叱っている。
「いーかげん、仕事すんだよ!!」
「うるさいやい!
・・・てか、何で沙奈はここにいたんだよ?」
「え?それは・・・亜衣が来たいってゆーから・・・」
「そーなんです!裕大さんを拝みに☆」
そんな事を言って、亜衣はお兄ちゃんに向かって手を合わせる。