初恋
「じゃぁ、夜はしゃぶしゃぶサラダ作ることにするよ。
主食はお楽しみって事で」
「しゃぶしゃぶサラダ!?
俺、沙奈が作ったしゃぶしゃぶサラダすんげぇ好き!!」
さっきまで寝ていた人が、
ご飯の話をするとすぐこれだよ。
こんな暑い中ご飯の話ししてても、平気だなんて・・・
ある意味凄いな。
あたしだったら考えたくもないのに・・・
学校に着いたのは部活が始まる30分前。
お兄ちゃんはキャプテンなので
顧問の先生にメニューを聞いてから部活を始める。
だから早めに来ているのだ。
それでもちらちらすでに来ている人はいるので、
あたしは凄く感心した。
ギリギリに来る人はいないんだ・・・
「沙奈ちゃん、おはよー」
あたしに声をかけて来たのは悼矢さんと准くん。
その後ろには渡邊先輩もいた。
「あ、おはようございます。
今日から宜しくお願いします!」
「こちらこそー!ご飯、頑張って作ろうね!」
渡邊先輩はあたしに笑顔を向けて来た。
あたしも笑顔で返す。
「楽しみにしてんね笑」
悼矢さんがニヤニヤしながらあたしに言ってきた。
「任せてください!一生懸命作ります!」
「ほーほー、じゃ今回は、裕大が夜脱走しないで済むな」
「きっと脱走しないと思います!
でももししちゃったら、その時は准くんと悼矢さんに任せますね」
「俺は、もう裕大止めたくねぇよ。沙奈ちゃんが止めたら?笑」
准くんはあたしの頬を摘まんでくる。
「いひゃい、いひゃいよー・・・」
そんな事をしながら笑っているとまだ来ていなかった人達も来て。
全員集まったところで、顧問の先生からの話が始まった。