初恋
***
放課後、
亜衣に道連れにされて衣装作りを手伝っていた。
まぁ、そんなに出来ていないって事ではないけど・・・
亜衣が担当している衣装の作り方の紙を見ていたら、
携帯が鳴った。
・・・・お兄ちゃん・・・・汗
そういえば、後で教室に行くとか
なんとかって言ってたっけ。
「もしもし?」
『沙奈-!!どこにいんの!?』
「ごめんね、まだ衣服室にいるんだ。
だから先に―」
『分かったー!!衣服室な!
今から向かうー!!』
「ちょっ・・・」
お兄ちゃんはあたしの話など全く聞かずに
電話を切ってしまった。
もう・・・!!
ミシンを使っていた亜衣が
ニヤニヤしながらあたしを見る。
どうしてこんな顔をされなくちゃならないのよ・・・
「ねぇねぇ、何で沙奈達ってそんなに仲が良いわけ?」
「それはあたしにじゃなくてお兄ちゃんに聞いてください!」
プンプンと怒りながらあたしは窓側に行って、外を見渡す。