初恋
もう今日の準備が終わった人たちが
ぞろぞろと歩いている。
あー、あたしも早く帰ってご飯を作らないと・・・
ため息をつき、
肩肘を付くと悼矢さんが1人で歩いていた。
悼矢さんだ・・・
帰っている時でさえも、
悼矢さんは周りの女の子にチラチラと見られては、
話しかけられている。
あたしも、きっとその人たちの一部と渇しているだろう。
話をかけていい人は、ただ1人。
彼女である渡邊先輩―
『ねぇ、悼矢ぁ』
『んだよ・・・』
『あれ欲しい!!』
『あー?・・・しょうがねぇなぁ』
『わーい♪』
いつまでも、
いつまでも、
脳裏から離れない残像。
忘れればいいものの、
忘れられなくて、
あたしの頭をおかしくする