初恋
「・・・奈・・・・沙奈!」
「う、え?」
「ボーっとしてるけど、大丈夫!!??」
「顔、近い近い!!」
本当に心配していたのか、
なかなかあたしから離れてくれない。
「どうしたの?」
「え・・・ん、まぁ」
亜衣は近くにあった椅子を引きずって、
あたしの隣に座る。
そして、ギュウっと強くあたしの手を握った。
「そうやって、いつも気持ち隠して!
駄目だよ!!親友でしょ!?」
「―亜衣・・・」
「・・・三浦先輩の事で悩んでたの?」
「・・それだけじゃ、ない・・・」
「え?」
「あたし、サッカー部のマネージャー、
やりたく、て・・・」