初恋
side亜衣
沙奈と初めて会ったのは、
幼稚園に入ってから少し経った頃。
お母さんには
「近々、お母さんのお友達がここに来るのよ!」と、
ニコニコされながら話されたのをよく覚えている。
その時
「亜衣と同じ年の子もいるから、仲良くしてあげてね」
とも言われた。
この子が、お母さんが言っていた
女の子なんだと会ったときに思った。
あたしが想像していた子とまったく違って、
大人しそうな感じだった。
だって、クラスの子とあんまり話さないし、
いつも外で裕大さんと一緒にいたし。
仲良くなれるかなって思った。
そんな時、お昼寝タイムで、
教室で寝る時間になった時沙奈が泣きながらタオルを持って
立っていたのを見たの。
何で泣いているのか分からなかった。
その時のあたしは小さかったし、
何があったのか分からなくて1人でおろおろしていた。
「あいちゃん!」
クラスの女の子で自慢ばかりする子が
あたしのところに来た。
「さなちゃん、ひどいんだよ!」