初恋




元々、体力に自信がないあたしは、


少し・・・



というより、かなり休憩を求めている。




でも、この炎天下の中、皆頑張ってるんだから



休んでる暇はない。




額の汗を手で拭い、あたしは仕事を続ける。





「よーし、30分休憩!」





顧問の先生の声が聞こえ、

あたしは近くにあったタオルとキーパーを皆の所へ持っていく。




「悼矢―!!」



渡邊先輩が最初に悼矢さんの所にタオルを渡しに行っていた。



行くのはいいけど・・・


そこで話してたら他の人が困るのに・・・




あたしは他の人にタオルを渡す。




「お疲れ様です!タオル使ってください、

キーパーの中にポカリが入っているので・・・」



「おー、沙奈ちゃんあんがとー」




あたしが渡邊先輩のこと気にしていたら駄目だ。


目の前の仕事に集中しなくちゃ。








そう考えているのに、

あたしは横目でチラッと2人を見てしまう。








まだ喋ってる・・・








「沙奈ー、冷たいタオルちょーだい!めっちゃ暑い!」





お兄ちゃんの声でハッとする。












だから考えちゃ駄目だってば!!




「冷たいタオル使う前に、顔洗ってからの方が涼しいから先に顔洗って!」


「うぃー」



まだタオルを渡していない人にタオルを渡しながらお兄ちゃんの元に行く。









しっかし・・・ホントに暑いな・・・















これじゃ、あたしが一番最初に倒れちゃう・・・!!
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