初恋




水道場には人でいっぱいになっていた。







「めっちゃ気持ち―!!」

「裕大、後つっかえてんだから早くしろ!!」

「わぁってんよ!沙奈、タオル!」

「はい」



「あ、沙奈ちゃん俺っちにもくれ!

暑くてたまんぇんだ!」




顔を洗い終えた人が、

あたしに冷たいタオルを求めざわざわとやってくる。






タオル足りるかな・・・?





それにしても―




グランドの土乾きすぎな気がする・・・



あたし達の学校のサッカー部は、県でベスト8だったりするので、

サッカー部専用のグラウンドが設置されている。






水撒き・・・







今のうちにやっちゃった方がいいかも・・・






その方が土も濡れて、

風が吹いたときとか土埃とか暑い風を感じる必要もない。




「お兄ちゃん!」



「ん~?どした・・・って、何だ!?」

「これまだ貰ってない人に渡しといて!

使ったら洗ってまたその中入れてね!

あたし今すぐやらなきゃいけない事あるから!





あ、水分もちゃんと取ること!!」



「お、おい!!」




猛ダッシュで用務員室に向かってホースを借りに行く。






















早くしないと次の練習メニュー始まっちゃう・・・!!!
< 33 / 364 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop