初恋
「ホース?サッカー部で使いたい?」
「はい、土埃が舞ってて・・・」
「そりゃ、ホースじゃ時間かかるなぁ・・・」
用務員室にホースを借りに来たあたしは、
用務員のおじさんと話していた。
「やっぱり、時間かかりますか?」
「うーん・・・よし、じゃおじさんがジェットホース使ってやるか」
ジェットホースと言うのは、
体育の先生がよく乾いたグラウンドに使う大きい水車みたいなものだ。
「ほ、ホントですか!?」
「この暑さじゃサッカー部も大変だからね。
すぐもて来るからお譲ちゃんはグランドに戻ってな」
「あ、ありがとうございます!!」
あたしはペコリと用務員さんにお辞儀をして
駆け足でグラウンドに戻る。
グラウンドに戻ると、日
陰で休憩しているサッカー部員の姿が。
あたしの姿に気づいたお兄ちゃんがスポーツドリンクを持って、駆け寄ってくる。
「お前、何処行ってたんだよ!?
こんな暑いのに・・・」
「あのね?さっき用務員さんにここの水撒きを頼みに行って・・・」
「水撒き・・・?」
「うん。グランドからっからだし・・・
お昼からはもっと熱くなるから今のうちにって・・・」
「おーい、お譲ちゃん持ってきたどー」
お兄ちゃんと話している時、
用務員さんがホースを持ってきてくれた。
「ありがとうございます!」