初恋
***
ようやく、お昼の時間がやってきた。
ずっと立ちっぱなしだったあたしは
やっと座る事が出来た。
用務員さんが水捲いてくれたおかげで、
その後の練習は少しグラウンドに冷たい風が吹いた。
よかった・・・
熱中症になる人が出なくて。
ふぅ、と1つため息を付くとあたしの所に渡邊先輩が近づいてくる。
「沙奈ちゃん!」
「あ・・・はい。どうしましたか?」
「買い物行くよ!」
「か、買い物・・・??」
買い物に行くのはいいけど、
あたしまだ座ったばっかり・・・
少しは休ませてくれたっていい気が・・・
鞄から出していたお弁当をまた片づけて
あたしは立ち上がる。
「買い物はこの長い休憩中に行かないといけないの!
で、終わったらご飯」
「そうだったんですか・・・じゃぁ」
そう歩き始めた瞬間、
あたしは少しだけクラっ、と頭が回った。
あ、れ・・・?
あたしは机に寄りかかる。
「沙奈ちゃん?」
「へ、平気です・・・」
「平気っぽく見えねぇけど?」