初恋
「さっき俺が、冷たいもん上げたから平気だって。
な、沙奈ちゃん」
「は、はい!もうすっかり元気で・・・
お兄ちゃんもう大丈夫だから!
渡邊先輩行きましょう。」
「う、うん」
あたしは椅子から立ちあがって渡邊先輩について行くように歩く。
その時、あたしの頭に帽子が被された。
へ・・・!?
吃驚して上を向いてみると、
そこには悼矢さんの顔が。
ち、近っ・・・!!
「買い物行ってる最中にたおられでもしたら困るしな。
俺の帽子被って行って?」
「だ、だいじょ「後で、返してくれればいいからさ。な?」
あたしの言葉を遮って、
そしてお兄ちゃんの所へと戻って行く。
あたしは悼矢さんの後姿を見つめながら、
ただ1人ドキドキしていた。