初恋
てことは、
俺は今まで沙奈ちゃんの事を自分の妹みたく思ってたのか。
なんだ、そんな悩む事なかったじゃねぇか。
妹、か・・・
そう考えると、
マジ沙奈ちゃんみたいな妹がいたらなって思う。
俺は、兄貴と姉貴と、3人兄弟で、
いつも優しくしてもらってた身だから、
俺もこんな優しい兄ちゃんになって見たいと、
叶わぬ願いを願ってたっけ。
だから、沙奈ちゃんのような
危なっかしい子を見てると守ってやりたくなる。
つい、手を差し伸べてしまうんだ。
「てか、何でそんな話を俺にしたん?」
「あ?ちょっと気になっただけ。」
「へぇ・・・悼矢にも気になる事なんだな笑」
「なんだよそれ!?
俺だって気にする事ぐらいあるし。
お前がいつ脱走するか心配で・・・」
「だからしねぇって!!」
「さぁどーだか。」
「信用しろって!おい、聞いてんのかよ!!悼矢ぁぁ!!」