初恋
待ち焦がれた夕飯、素敵な朝。
side悼矢
午後5時。
やっと、初日の部活が終わった。
初日から結構練習きつかったな・・・
汗でグッショリになってしまった練習着をパタパタと仰ぐ。
「じゃ、合宿所戻って、風呂入ってから夕食だからな!」
「うぃーっす・・・」
疲れて、返事もろくに出来ずよたよたしながら合宿所へ戻る。
そんな中、裕大だけは疲れた顔を見せず、
ウキウキしていた。
「お前・・・疲れてねぇのかよ?」
「えー!?全然!」
その答えに、周りの奴らは嘘だろー?と叫んでいた。
元々、人並み以上の体力はあるしな。
けど、こんな炎天下の中やってんだから疲れるだろ、普通。
・・・・あ、そうか・・・
こいつ、
次に待ってんのが上手い晩飯だからか。
「飯のために、よく動けんな・・・
すげぇと思うよ」
「俺は、沙奈の飯が食えるなら何でも出来んの!!
お前らも食べてみたら絶対そう思うって!
明日になったら絶対頑張ろうって気になるって!!」
「マジかよー!?」
「マジマジ!!」
「裕大がそこまで言うなんて、期待大有じゃん!!」
さっきまで、ヘトヘトであんま話さなかった奴らが
裕大の話を聞いて練習前の元気を取り戻していた。
こいつが言うと、皆信じるからなぁ・・・
だからキャプテンを任せられてるわけだけど。