初恋
***
部屋に戻って着替えを持って入浴場に向かう。
「これぜってー日焼けしてる!ぜってー染みる!」
「確かになー、この1週間で真っ黒に焼けるだろうな笑」
ワイワイと話しながら全員風呂に入っていく。
裕大は飛び込むように風呂に入ってはしゃいでいる。
あいつ、何したいんだよ・・・
「おい!鼻に水は入っただろ!?」
准が裕大の頭を勢いよく叩く。
「あで!!悪かったってー!!」
「お前、謝る気ないだろ!?」
「あるあるー!ごめーん!!」
「心が籠ってねぇって・・・」
全く謝っている感じを見せない裕大に
呆れてものを言えない准。
夏合宿や、冬合宿の時に必ずやってくる風呂の時間と寝る時間は、
何故かサッカー部部員で何かしらの話題で盛り上がる。
そのせいで疲れも何も取れないけど、
部員との仲をいっそ深まる。
こいつはこういう性格だと改めて確認出来るし。
そういう場もなかなかいいものだと思う。
汗を流して入浴場から出て部屋に戻っている時に、
キッチンから渡邊が顔を出した。
「丁度良かった!もうご飯出来たからすぐ食堂来てね!」
「いえーい!!飯、飯ー!!」
ドタバタと廊下を走って荷物を置いて食堂に向かった。
食堂の中に入ると凄いいい匂いがした。