初恋
小さい子が見ても、
お爺ちゃん、お婆ちゃん、誰が見ても絶対思うだろう。
こんな美人がこの世にいるのかって。
「あ、いきなり変なこと言ってごめんね?あたし、渡邊美加(ワタナベミカ)ってゆーの!マネジやってます☆宜しくね、相沢沙奈ちゃん」
「よ、宜しくお願いしま、す」
「ほぉら!!皆もあいさつして!!」
そうやって渡邊美加さんが言うと部員全員があたしにあいさつしてくれた。
凄く信頼されてて、優しいマネージャーさんなんだ・・・
「じゃ、沙奈ちゃん早速だけど、一通りどんな仕事をするか説明していくから、あたしと一緒に来てくれる?」
「は、はい!」
「んじゃ、俺たちはフットワークやんぞー!!」
キャプテンであるお兄ちゃんは皆にそう声を掛けて練習に入っていった。
あたしは渡邊先輩に仕事の説明をしてもらって
手帳にメモをしていく。
えっと・・・部室の掃除は毎日で、
合宿の時は栄養バランスと考えて3食作って・・・
ん~、マネージャーの仕事って本当に大変だなぁ
・・・ちょっと甘く見てたかも。
「で、洗濯は洗濯機じゃなくてたらいと洗濯板を使ってやるからね」
「ふむふむ・・・」
「あと救急セットの補充も大事で・・・あ!テーピングも出来るようにしとかないとね!」
「テーピング、ですか??」
「うん。やったことない?」
「は、はい・・・」
「じゃ、今から練習してみようか!」
そう言ってあたしの手を引っ張っていく渡邊先輩。
改めて見ると、本当に美人だなぁ・・・
しかも親切だし、話からして頭もいいだろうな・・・
あたしも、こんな先輩になって見たい、そう、ふと思った。