初恋
「沙奈ちゃんは?」
「あたしですか?」
「沙奈ちゃんは、何で早く起きちゃったの?」
「今日のご飯はどうしようかなとか、
今日は昨日以上に頑張らないとなとか考えてたら、
何か目が覚めちゃって・・・」
「ご飯は、そんなに気にする事ないよ。
上手いもんなら何でも食うし。
マネジの仕事もいつも通りやればいいって。」
「でも悼矢さん、人参残しましたよね?」
「あ・・・汗」
悼矢さん苦笑いをする。
その笑顔にあたしは惹き込まれてしまった。
こんな顔もするんだ・・・
「それより・・・」
それよりって・・・・
「頑張りすぎて、倒れないようにな?
沙奈ちゃんの事だからありそうで、
俺、怖ぇよ」
悼矢さんは、あたしの方を向き近づいてくる。
そしてあたしの髪を優しく撫でて来た。
「悼、矢さ・・・」
「悩みとかあったらいつでも言ってきて。
出来る限りの事なら俺、助けるし。
1人で抱え込まないでな?」
「は、い・・・」
悼矢さんの顔を見ていられなくて、下を向いてしまう。