初恋





「沙奈ちゃんは?」



「あたしですか?」


「沙奈ちゃんは、何で早く起きちゃったの?」




「今日のご飯はどうしようかなとか、

今日は昨日以上に頑張らないとなとか考えてたら、




何か目が覚めちゃって・・・」


「ご飯は、そんなに気にする事ないよ。


上手いもんなら何でも食うし。

マネジの仕事もいつも通りやればいいって。」



「でも悼矢さん、人参残しましたよね?」



「あ・・・汗」




悼矢さん苦笑いをする。



その笑顔にあたしは惹き込まれてしまった。









こんな顔もするんだ・・・







「それより・・・」



それよりって・・・・





「頑張りすぎて、倒れないようにな?


沙奈ちゃんの事だからありそうで、





俺、怖ぇよ」






悼矢さんは、あたしの方を向き近づいてくる。





そしてあたしの髪を優しく撫でて来た。




「悼、矢さ・・・」




「悩みとかあったらいつでも言ってきて。

出来る限りの事なら俺、助けるし。


1人で抱え込まないでな?」



「は、い・・・」





悼矢さんの顔を見ていられなくて、下を向いてしまう。
< 58 / 364 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop