初恋
side悼矢
今日も昨日と変わらない日がやってきた。
俺は早く目が覚めて、
顔でも洗おうと洗面所に行った時、
沙奈ちゃんに会った。
いつも結んでいる髪も、
その時は結んでいなくて、新鮮だった。
その時、頭に過ぎった言葉。
“この姿は誰にもみせたくない”と―・・・
何でそう思ったかは、自分でもよくわからない。
・・・ただ・・・
ただ・・・
俺しか知らない沙奈ちゃんを知っていたかった。
髪を結んでいない沙奈ちゃんは、色っぽくって。
その場にずっといたらおかしくなりそうで、
外に行こうと言ってしまった。
なるべく顔を見ないようしするつもりだったけど、
『今日のご飯はどうしようかなとか、
今日は昨日以上に頑張らないとなとか考えてたら、
何か目が覚めちゃって・・・』
その言葉を聞いて、
見ないようにする何て出来なかった。
いつか頑張り過ぎて壊れてしまうんではないかと、
不安になったから。
俺は頭で考えるよりも先に手が勝手に動いてしまったんだ。
耳まで真っ赤にしていた沙奈ちゃんを見て、
愛おしくなる。
何で、こんなに可愛いのかなって・・・
でも一方では切なく感じる。
妹みたいだって思っているはずなのに、
それがどうしても違う気がした。