初恋
夕食の準備が終わった頃、
お風呂に入り終わった人が続々と食堂に入ってくる。
この2日間で皆は小麦色に焼け始めていた。
「腹減ったー!!」
「何度も言うなよ。腹減ってんのは分かったから・・・」
お兄ちゃんがお腹を擦りながら悼矢さんと話している。
悼矢さんを見た瞬間、
脈が速くなるのが分かった。
なるべく顔を見ないようにお皿を並べ、
キッチンに戻る。
何でこんなに緊張してるの・・・??
「沙奈ちゃん、全員集まったからご飯食べよ!」
「あ、はい!」
平常心、平常心・・・
いつか絶対治まるよね・・・
渡邊先輩の後を付いて行き、
あたしはテーブルに向かう。
「悼矢!隣いい!?」
「おー」
渡邊先輩は迷うことなく悼矢さんの隣に座る。
あたし・・・どうして苦しいんだろう・・・
あたしが入って来た時から渡邊先輩と悼矢さんは仲が良くて、
よく話している所も見てきていた筈なのに、
最近は見ているのが辛い。
駄目・・・涙でそう・・・