初恋
***
あたしはお風呂に入り終わって
夜風をあたりに外に出た。
ノートとシャープペンを持って。
今日は、皆ご飯を食べてくれたけど・・・
准くん達の会話を聞いてたら、
人参とか南瓜とか生玉ねぎとか嫌いって話をしてたな・・・
男の子って人参嫌いって言うのが多いな。
悼矢さん以外の人も人参嫌いみたいだし・・・
明日はハンバーグにするつもりだから、
ハンバーグの中に擂った人参入ればばれずに皆食べてくれるよね。
生の玉ねぎはあんまり出さないようにして・・・
ノートに残りの食事をどうするかをまとめる。
そう言えば、この合宿中に練習試合が組まれてるんだっけ。
まだスコアブックの書き方覚えられてないんだよね・・・
「・・・沙奈ちゃん・・・?」
声を掛けられてあたしは振り向く。
そこには悼矢さんがいた。
何、で・・・
あたしは急いでノートを片づける。
「あ・・・と・・・こっ、こんばんは!!」
何言ってんの、あたし・・・!!!
悼矢さんはそんなあたしを見て笑う。
「ん、こんばんは。沙奈ちゃんここで何してたの?」
さっきは悼矢さん見るだけで悲しくなっていたのに、
今は全然感じない。
「ちょっと・・・スコアブックの書き方が分からなくて・・・」
「スコアブック?」
悼矢さんはあたしの向かいに座る。
「だったら、俺が教えたげるよ。」