初恋
「え・・・」
「朝、言ったろ?悩みとかあったら俺に言ってって」
あたしは朝の事を思い出して、
顔が赤くなる。
そう言えば、朝悼矢さんとそんな話ししたっけ・・・
悼矢さんはちょっと待っててと言って何かものを取りに行った。
あたしは悼矢さんが戻ってくるまでノートをパラパラと捲る。
あたしが出来る事を出来る限りやろう。
少しでも皆がいい合宿だったって思ってもらえるように・・・
「ごめん、ごめん」
悼矢さんは走りながら戻ってきた。
悼矢さんが持っていたものはスコアブック。
「じゃ、やるか」
「へ・・・あ、の一体・・・??」
「スコアブックの書き方、教えてやるよ。」
あ・・・さっきあたしがスコアブックの書き方が
分からないって言ったから?
本当・・・悼矢さんは何でも気付く良い人だ。
「何処が分からねぇの?」
悼矢さんはスコアブックをあたしに見せて覗いてくる。
その仕草が、
あたしの頭を、
心を、おかしくさせる。
この時間が何時間も続けばいいと、
そう思ってしまう。
どうして・・・こんなに悼矢さんの事を・・・