初恋
そして何かを思い出したのか
裕大に話し始める。
「蚊取り線香!
確か、この部屋を掃除してた時に
あたしがここに持ってきておいたの思い出した!
それがあればお兄ちゃんも蚊の事を心配しないで済むでしょ?」
沙奈ちゃんは押し入れを開けて
ゴソゴソと探し始める。
探した結果、
蚊取り線香は沙奈ちゃんが言ったように用意されていた。
この子は、なんでも気づくんだな・・・
「ほら、これがあれば大丈夫でしょ?
あたし今、火をつけてくるから・・・」
「あ、じゃぁ俺も行くよ。」
俺が沙奈ちゃんにそう言った時、
沙奈ちゃんの顔は一瞬引きつった感じがした。
・・・俺、変な事でも言ったか・・・?
だけど、沙奈ちゃんはそのあと笑顔で俺に言う。
「じゃぁ、お願いします。」
「お、おう」
気のせいだったか・・・?