初恋



そして何かを思い出したのか

裕大に話し始める。









「蚊取り線香!

確か、この部屋を掃除してた時に

あたしがここに持ってきておいたの思い出した!





それがあればお兄ちゃんも蚊の事を心配しないで済むでしょ?」











沙奈ちゃんは押し入れを開けて

ゴソゴソと探し始める。













探した結果、

蚊取り線香は沙奈ちゃんが言ったように用意されていた。














この子は、なんでも気づくんだな・・・








「ほら、これがあれば大丈夫でしょ?

あたし今、火をつけてくるから・・・」




「あ、じゃぁ俺も行くよ。」











俺が沙奈ちゃんにそう言った時、

沙奈ちゃんの顔は一瞬引きつった感じがした。

















・・・俺、変な事でも言ったか・・・?













だけど、沙奈ちゃんはそのあと笑顔で俺に言う。
















「じゃぁ、お願いします。」



「お、おう」




























気のせいだったか・・・?
< 81 / 364 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop