初恋
***
合宿最後の夕飯と言う事で、
最後の日はバーベキューをすることになった。
「じゃ、合宿お疲れさまと言う事で!!」
「「「かんぱーい!!!」」」
フフッ・・・
凄いハイテンションだな・・・
あたしはオレンジジュースを飲みながら、
皆がはしゃいでいる所を見ていた。
「沙奈ちゃん。」
「悼矢さん・・・」
「隣、いい?」
「あ、はい」
悼矢さんはあたしの隣の椅子に腰を掛ける。
今日で悼矢さんとこうやって過ごすのも最後、か・・・
そう思うと、時間が過ぎて欲しくないと思うあたしがいた。
「今日で、最後だな・・・」
「そう、ですね・・・
何かちょっと寂しい気がします」
「ははっ、騒ぎ声が聞こえなくなっとそう思うよな!」
確かにそれもあるけど・・・
あたしが一番思っているのは、
悼矢さんと離れてしまう事。
せっかく仲良くなれたのに・・・
「悼矢~~!」
渡邊先輩が悼矢さんを呼びながら、手を振っている。
「渡邊・・・」
「向こうで花火するってさ!一緒にやろー!」
「まじ?・・・沙奈ちゃんも行こうぜ?」
「あ、あたしは・・・これ飲んでから行きます」
持っていたオレンジジュースを見せる。
悼矢さんは、じゃ、先に行ってるな、
と言って渡邊先輩と行ってしまう。
あたしは1人ポツンと座っていた。
「臨時マネージャーも、明日で最後、か・・・」
足をブラブラさせながらそう思う。
こんなに楽しいと思うなんて・・・
まだ・・・
これからもやっていきたいという気持ちは、誰にも届かない。