初恋
side悼矢
バーベキューも終わり、
俺たちは最後の夜を迎えた。
「つーわけで!今日の夜は盛り上がって行きましょー!!」
「いーね、いーね!今年も恒例行事!」
「確か去年は・・・ワールドカップの話に、
渡邊の話に・・・結構話したよな」
「美人がマネージャーになりに来た!ってさ笑」
去年は、俺たちの1個上の先輩が渡邊の話をずっとしてて、
それを延々と聞かされていた覚えがある。
何回も同じ事を言うもんだから、
裕大が飽きたって言って
先輩に馬鹿野郎と怒られていたのを今でも忘れられない。
あの時から、裕大は変わらねぇな笑
俺たちの代でも、渡邊は何でも出来ていい奴で評判だし、
今回もその話だと思っていた。
「・・・てかよ、この合宿で思ったんだけどよ、
沙奈ちゃんってすげぇよな!」
「あぁ、分かる!
なぁんか俺たちも気づかない所に気づくって言うか・・・
今日の弘樹の捻挫だってそうだけど」
「素直で可愛いよな!」
「最初はさ、“裕大の妹”としか思ってなかったけど。
今となっちゃ大事な仲間だよな」
・・・沙奈ちゃんが、モテてる・・・?