初恋
「お兄ちゃん、このままだと終わるのが夜になっちゃうよ?」
「沙奈ー!!」
裕大は沙奈ちゃんに抱きつき始める。
この男は・・・
「分かったから、頑張ってやってね。
帰りにアイス買って帰ろ?暑いし」
「おー、アイス!!」
裕大の扱いに慣れている沙奈ちゃんは、
俺ににこっと笑いかける。
俺もそれに答えるように笑う。
トイレ掃除が終わって合宿所の前の掃除をする為に
ほうきを持ってこようと倉庫に行った。
そこには准と沙奈ちゃんがいて、俺はつい立ち止まってしまう。
「今日はチョンチョリンじゃん。髪の毛」
准は沙奈ちゃんの髪の毛を触る。
しかも嬉しそうに―・・・
「もー、髪の毛触らない!
ボサボサになるでしょー?」
「気になんだもん」
仲のいい所を見せつけられると、
こうもイラつくのは・・・
その時、俺は誰かに肩を叩かれた。