初恋
「アイス!食べるっつたろー!?」
「お前はホント、おこちゃまだなー!
沙奈ちゃんがいるとこれだよー」
「うっせー!!」
「分かった!分かったからすぐ怒らないでよ」
「・・・あい」
あたしはもう一度お辞儀をして、
お兄ちゃんと家に帰った。
これで、最後だったんだな・・・
なんか、あっという間だったっていうか、
長かったっていうか・・・
マネージャーの仕事をこれからもやりたいって
お兄ちゃんに言ったらいいよって言ってくれるかもしれない。
けど・・・夏合宿までって約束だから
もう新しいマネージャーが見つかってるのかもしれないよね・・・
そして―・・・
あたしは皆がいる方を向く。
悼矢さんともあまり話せなくなるんだな―・・・
そう思ったら、やけに心が痛くなった。
あたしも同じ学年だったら、
普通に話す時間だって作れるのに・・・
学年が違うって言うだけで、離れているような気がした。
あまり話せないんじゃなくて、
もう話せないとフッと思ってしまった。