初恋
変わりゆくもの。
side沙奈
「・・・奈・・・沙奈!!」
体を揺さぶられて
あたしは重い目をゆっくり開ける。
・・・??
「早くしろよ!遅刻すんぞ!?」
「遅、刻・・・?」
目を擦りながら起き上ると、
部活着のお兄ちゃんの姿があった。
「もう出ねぇと間に合わねぇよ!着替えろ!」
「着替えろって・・・
あたしもう、マネージャーの仕事終わったよ?」
「・・・・は?」
きょとんとするお兄ちゃん。
あ、れ・・・?
あたし変なこと言ってないよね?
うん、だってマネージャーの仕事は夏合宿までって言ってたし。
「・・・何で!?何で、何で!?」
「え、え・・・!?」
お兄ちゃんはあたしの肩をがっしり掴む。
痛いんですけど・・・!!
「だってお兄ちゃんっ・・・夏合宿までって・・・!!」
「・・・あ・・・」
「臨時マネージャーはもう終わったの!
だからあたし、行けない!」