初恋
「・・・でもさ!俺すっかり忘れてたから辞めんの無し!
いいじゃんそれで!!」
「・・・お兄ちゃん・・・」
「な!だから俺と早く部活行こーぜ!?」
お兄ちゃんはあたしの腕を引っ張る。
お兄ちゃんがそう言うならと
一度は行こうとも考えた。
その時、合宿の時の渡邊先輩と、
悼矢さんの事を思い出した。
・・・何で・・・
こんなに苦しくなるんだろう・・・
渡邊先輩が、悼矢さんに話しかけたり、
一緒に笑ってたりしてる姿が脳裏に焼き付いていて、
頭から離れる事が出来ない。
「沙奈・・・?」
「いけ、ない・・・」
「んで?」
「・・・もう、疲れちゃったの!
だから・・・行けない」
嘘・・・嘘だよ。